「お母さんの振袖があるから、成人式はこれを着れば大丈夫」

そう思って、ママ振袖を成人式直前までタンスにしまったままにしていませんか?

ママ振袖は、お母様の思い出をお嬢様へ受け継ぐことができる、とても素敵な振袖です。

ところが、いざ成人式が近づいて着てみると、

「袖がちょっと短い!」

「お母さんと身長は同じなのに、なんだかサイズが合わない…」

ということがあります。

今回は、ママ振袖でよくあるサイズの失敗と、その対処方法についてご紹介します。


「母と身長が同じだから大丈夫!」と思っていたら…

ママ振袖のご相談でよくあるのが、

「母と娘の身長がほとんど同じなので、そのまま着られると思っていました」

というケースです。

ところが実際にお嬢様が着てみると、

「あれ?袖が短い?」

ということがあります。

着物の場合、身長だけでサイズが決まるわけではありません。

特に大切なのが、裄(ゆき)と身幅です。


裄(ゆき)って何?

裄とは、簡単にいうと首の後ろの中心から肩を通って、手首あたりまでの長さのことです。

同じ身長の親子でも、

「娘さんのほうが腕が長い」

「肩幅が違う」

「体型や骨格が違う」

ということは珍しくありません。

そのため、お母様が成人式で着たときにはぴったりだった振袖でも、お嬢様が着ると袖が短く見えることがあります。


身幅も確認しましょう

もうひとつ確認しておきたいのが身幅です。

身幅が合っていないと、前合わせがきれいに決まらなかったり、着付けがしにくかったりすることがあります。

ただし、多少の違いであれば着付けで調整できることもあります。

ですから、

「サイズが違うからママ振袖は無理」

とすぐに諦める必要はありません。

まずは実際にお嬢様に合わせてみることが大切です。


袖が短かったらどうする?

では、ママ振袖を着てみて裄が短かった場合はどうすればいいのでしょうか?

方法はいくつかあります。

方法① そのまま着られるか確認する

まずは、本当にお直しが必要なのか確認します。

少し短い程度であれば、着付けをして全体を見てみると、それほど気にならないこともあります。

振袖は洋服とは違い、数センチの違いでも着付けによってある程度調整できる場合があります。

そのため、寸法だけを見て判断するのではなく、実際に着て確認するのがおすすめです。


方法② 袖を外して「裄直し」をする

明らかに袖が短い場合には、裄直しという方法があります。

振袖を全部仕立て直すのではなく、袖を一度身頃から外して、肩側や袖側に残っている生地を確認します。

生地に余裕があれば、

肩幅を少し出す

袖幅を少し出す

ことで裄を長くすることができます。

そして、お嬢様の寸法に合わせて袖を付け直します。

「袖が短いから全部仕立て直し」

とは限らないのです。


ただし、何センチでも出せるわけではありません

ここは注意が必要です。

裄をどこまで長くできるかは、振袖の中にどれだけ縫い込みの生地が残っているかによって変わります。

また、長年縫い込まれていた部分を表に出すと、

折り筋・色ヤケ・色の違い・汚れ

などが出てくる場合もあります。

そのため、実際の振袖を確認してから、お直しができるか判断します。


方法③ 少し短いくらいなら小物や見せ方でカバー

「ほんの少し短いだけなのに、わざわざ袖を外して直すの?」

そんな場合は、必ずしもお直しが必要とは限りません。

小物の使い方や写真のポーズなどで、裄の短さを目立ちにくくできることもあります。

例えば成人式では、

ショールを合わせたり、バッグを持ったりします。

前撮りなら、バッグの持ち方や手の位置、身体の向きを工夫するだけでも印象は変わります。

特に写真では、真正面で腕をまっすぐ下ろした姿だけではありません。

少し手を前に添えたり、袖をきれいに見せるポーズを取ったりすることで、全体のバランスを整えることができます。


「少し短い=すぐお直し」ではありません

ママ振袖で大切なのは、必要以上にお直しをすることではありません。

まず実際に着てみて、

① そのまま着られる
② 着付けや小物でカバーできる
③ 袖だけ直したほうがいい
④ 本格的なお直しが必要

この順番で考えていくのがおすすめです。

せっかくお母様が大切に保管されてきた振袖です。

できるだけ今の状態を生かしながら、お嬢様にきれいに着ていただける方法を考えていきましょう。


サイズだけじゃない!タンスから出したらここも確認

ママ振袖を久しぶりにタンスから出したら、サイズと一緒に振袖の状態も確認しましょう。

長期間保管されていた振袖では、

シミ・黄変・カビ・保管臭・金彩の傷み・刺繍のほつれ

などが見つかることがあります。

さらに、

「振袖はあるけど長襦袢が見つからない」

「草履の底が傷んでいた」

「帯締めや帯揚げが昔のまま」

というケースもあります。

成人式直前に気づくと、お直しや準備が間に合わないこともあります。


小物を変えるだけでママ振袖はもっと素敵になります

ママ振袖の場合、振袖そのものはとても素敵でも、

「娘が着ると少し昔っぽく見えるかな?」

と感じることがあります。

そんなときは、振袖を変えるのではなく、

帯締め・帯揚げ・重ね衿・半衿などの小物を変えてみるのもおすすめです。

小物の色や合わせ方を変えるだけでも、振袖全体の印象は大きく変わります。

お母様が成人式で着た振袖をそのまま再現するのではなく、お嬢様に似合うコーディネートにして受け継ぐ。

これもママ振袖の楽しみ方のひとつです。


ママ振袖は成人式直前ではなく、早めに一度着てみましょう

「振袖は家にあるから準備はまだ大丈夫」

これがママ振袖で一番気をつけたいところです。

振袖があっても、

サイズは合っている?
長襦袢は合っている?
シミや汚れはない?
小物は全部そろっている?
草履やバッグは使える?
今のお嬢様に似合うコーディネートになっている?

など、確認することはたくさんあります。

大たにやでは、ママ振袖を実際にお嬢様に合わせながら、

そのまま着られるのか、着付けや小物でカバーできるのか、袖のお直しが必要なのか

を確認いたします。

「この振袖、娘でも着られるかな?」

という段階でも大丈夫です。

振袖・帯・長襦袢・小物など、タンスに入っているものを一式お持ちください。

お母様の思い出の振袖を、今度はお嬢様の成人式の思い出へ。

成人式直前に「もっと早く確認しておけばよかった」とならないよう、まずは一度ママ振袖をタンスから出してみるところから始めてみてください。

次回もママ振袖を掘り下げていきます

最終更新2026-8-21